トップページ > 耳の構造と働き

耳の構造と働き|沖縄県難聴福祉を考える会

耳の構造は図に見るごとくです。
一般に“みみ”と云っているところは解剖学的には「耳介」と呼ばれ、本来は諸動物のように集音の役目を果たすべきところです。 
 耳の穴は「外耳道」と呼ばれ、入口より鼓膜まで約2.5cmあり、空気の振動である音を鼓膜に送り込みます。

鼓膜は約1cm直径のほぼ円形の薄い膜で、空気の振動を受け取り、鼓室(中耳腔―中耳炎はここの炎症)の中にある三耳小骨(ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨)に振動を伝え、音を感じる細胞のある内耳(蝸牛)に伝えます。

内耳は骨の中にありますが、リンパ液の入った袋で、蝸牛(約一万個の音を受け取る聴覚細胞を持つ)と前庭・三半規管(身体のバランスを知覚する数千の細胞を持つ)に分けられますが、この蝸牛と前庭・三半規管は繋がっています。

鼓膜でとらえられた空気の振動は、鼓室(中耳腔)の中の三耳小骨の各接続部の梃子(テコ)作用でエネルギーを数十倍とし、内耳の液体(リンパ液)の振動に変え、聴覚細胞が感じ易いようにしています。そしてどの高さの音が来たかが−高音は波長が短いので振動入口(卵内等)の近くの基底回転で、低音は振動が長いので、蝸牛のニ、三回転で感じるように−わかる仕組みになっています。

蝸牛(内耳)の聴覚細胞で感じた音刺激は、聴神経(蝸牛神経)で内耳道の中を通って、まず蝸牛核で神経を乗り換え、その後更に4回神経を乗り換え、大脳の「聴こえの中枢」に達し、音を認識することになります。


図:耳の構造