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四月から薬事法が改正され、これを契機に補聴器は「管理医療機器」に規定され、諸規制が始まる。これを契機に日本耳鼻咽喉科学会が「補聴器は医師の診断のもとに販売されるべき」との方針を決定し、補聴器の位置付けが変る。
まず、薬事法の改正(厚生労働省管轄)により、補聴器の製造・販売業者に、管理者の設置、品質確保、苦情・回収処理の義務が課せられる。業者は納品先の記録の作成が義務付けられ、一般消費者が適正に使用するための情報の提供に努めなければならない。また、すでに昨年十一月十一日から施行された された「特定商取引に関する法律の改正」(経済産業省)がある。これは、訪問販売、電話勧誘販売、通信販売などに関する悪質な取引による高齢者などへのトラブルを救済することにある。そして、誇大な広告や勧誘を行っている業者に対して、行政庁が「効能」「効果」の裏付けとなる合理的な根拠資料の提出を求め、その資料提出がないときには、行政処分の対象とすることができるようになっている。
このような補聴器に関する背景の変化を契機として、難聴者に不利益となる事例が多いわが国の補聴器販売の実態を改善する努力を一層強化するため、日本耳鼻咽喉科学会が二〇〇四年(平成十六年)五月に「補聴器販売の在り方に関する基本方針」を決定、欧米先進国並に処方せんによる補聴器販売に向け体制づくりが動き出している。そして、難聴者のコミュニケーション障害に「有効な」補聴器を「適正に」選択して使用してもらうための診療と、医学的助言を行う「補聴器相談医」を全国共通の基準で認定する体制の整備・充実に取り組み出している。また、宣伝広告の学問的適否についても検討することになっている。
このような補聴器に関する法改正、並びに学会の対応の変化に、私共「沖縄県難聴福祉を考える会」の難聴当事者の声が一助となっていることは事実であるが、これらの実質的な法運用、ならびに学会対応には、難聴当事者のさらなる大きな声が必要となろう。というのは、業者は認可制になったとはいえ、現在補聴器を取り扱っている業者は講習を受け、そのまま移行することとなっているためで、今まで通り不適合補聴器を買わされ、補聴器は駄目とあきらめてしまい、どうして適正に活用できないかを訴えないようであれば、業者の対応も変らないと思われるからである。
また、学会も前述の如く取り組み始めたとはいえ、医師の教育など、これが実効的に動くようになるのに五〜十年を要するからである。高齢社会となり、現在高齢化率から約十人に一人が難聴で、しかし補聴器不評のため必要な人の十〜二十人に一人と殆ど使われておらず、聞こえないままでおり、コミュニケーション障害から閉じこもり、認知症、寝たきりになりやすい状況にあるので、これを契機に難聴にはすぐ対応して、死の直前まで自立していける社会を実現したいものである。