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集団補聴(磁気ループについて)|沖縄県難聴福祉を考える会

“ひろば”の項“磁気ループ体験”に見るように、磁気ループの中に入っていると、マイクの音を“T”に切り替えた補聴器で直接聴くことが出来ます。マイクの音声だけで、雑音が全くないので非常にクリアーに聴こえます。
 “磁気”と云うことで、“心臓のペースメーカー”などに危険ではと考える人もあるようですが、“磁気ループ”の電流は強くて5アンペア程度で、発生する電磁波も日常電化製品の半分位ですので、危険なことは全くありません。磁場の強さは電流に比例します。

日常生活において最も強い電磁波が発生するのは電車の周辺で、架橋には100アンペア以上の電流があるため、プラットホームには強い磁場がでることになりますが、ペースメーカーを使用している方が電車に乗っても何ら影響はありません。

欧米先進国では、人の集まるところ、集会場、講演会場、劇場などに入っているのが常識で、また役所、病院、郵便局などの窓口に設置されているので、難聴になっても、誰の世話にもなることもなく、一人で対応出来るようになっています。
 集団補聴には、この磁気ループ以外に、“赤外線方式”“FM方式”などがありますが、それぞれ専用の補聴装置が必要であり、“磁気ループ”の場合には我が国の補聴器の約半分に磁気ループ用の“T”の切り替えがついているので、安価で早道とまず“磁気ループ”を推めています。

いずれ、この集団補聴の知識が普及した時にどの方式が良いかは、難聴者自身が決定することで、難聴者一人ひとり、どれが良いか異なるのかも知れないとも考えています。

2009年6月に、スイスで磁気ループ(国際的にはヒヤリングループHearing Loop)の国際会議が開かれ、ドイツ、フランス、イギリス、米国など先進15ヶ国が参加しましたが、日本は入っていません(補聴器が普及していないので、対象外のようです)。
そこで決議されたことは、

  1. 補聴器や人工内耳には、磁気ループ対応の“Tコイル”を装置すること(日本は前述の如く約半数)
  2. 公共施設に磁気ループ対応装置を設置することを義務化する(米国の二、三の州では、法律で決められている)
  3. 耳鼻咽喉科医並びにその関連者は“磁気ループの利便性”を説明すること
  4. 駅など交通機関の案内に磁気ループ活用すること

など。